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読んでいただきたい!今月のお勧めの本「正欲」

「正欲」   朝井 リョウ著

正しさとは、生きるとは何なのか。
誰しも正しくありたい、まともな人間の側でいたい。
多数決をとって自分は多数の側だと確かめ合わないと不安でたまらない。

作品の中で一貫した「性」というテーマを通して、世の中で正しいとされていることはあくまで多数決の多数派が決めたことで、何が本当に正しくて間違っているのかは誰にも定義できないことなのだと改めて感じた。

社会の現実に対する絶望と諦めとその中の少しの希望。
少なくとも明日死にたくないと思える自分は幸せだと思えた。
最近の様々な事件が起きている中で「多様性」が叫ばれる現代の風潮を痛烈に風刺した作品だった。

「私はいなくならないからね」

あの言葉だけで、一生頑張って行けるだろう!

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