社長のブログ

読んでいただきたい!今月のお勧めの本「ライオンのおやつ」

「ライオンのおやつ」   小川 糸 著
2020年 本屋大賞第2位受賞作品

人生の最後に食べたい「おやつ」はなんですか。
余命宣告をされて、訪れたのは瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」
そこでは、週に一度、ホスピスに住む人達がリクエストした、思い出のおやつが出てくるという。

食べることで、生きていることを実感できる。
ただ、普通の病院で点滴や投薬で看取られるより最期まで、食べて、歩いて、触れて、言葉を交わして生きる。

死ぬのは怖いかもしれない、でも死ぬことがわかっているから、今、生きていることがわかる。

明日がくることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁ、と。
そのことを知らずに生きていられる人たちは、なんて恵まれているのだろう。
幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。

どうせ死ぬのだからと、悲観的だった雫がライオンの家で、この島で出会った人たちと過ごす上で死への感覚が変わってくる。
出会いがあれば別れもある、当たり前なことを優しい言葉で語りかけてくる感じがしました。

生きることは、誰かの光になること。
自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。
そうやって、お互いにお互いを照らしあっているのだなと。

ライオンの家に住む人々のリクエストした「おやつ」にはさまざまな思い出がつまっていました。
おやつは、食事の中でも、絶対必要ではありません。
でも、思い出のつまったおやつは、例え誰の思い出であっても、とても大切で素敵なものだと感じました。
そのおやつを食べる。食べることは生きることです。
死ぬことに絶望するより、今を生きていることに感謝する。
そして、また生きていく。

思わず涙が出てしまいましたが、これも生きているからなのですね。
毎日を大切に生きようと思える物語でした。

いま、会社も大変な状況で毎日毎日次の一手を考える事で頭がパンクしそうですが、これも生きている証として受け止め明日生きられるかも分からない人達の為にも、全社員を守れるように更に前進しようと強く決意させて貰えた小説でした。

こういう時期に、このような小説に巡りあえて勇気を貰えた事に感謝します。

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