読んでいただきたい!今月のお勧めの本「百年法」
「百年法」 山田 宗樹著
戦争中6発の原爆が投下され、戦後は共和制になったという別の時空にある日本のお話です。
不老不死(事故死・病死は有)になれるウイルスが発見され、20歳以上の希望者には接種されるが、その代わり、百年後には安楽死が義務、百年法が制定されているという内容です。
25歳で接種すると肉体は25歳のままですが、思考は老齢化し、好奇心や探究心を失くし、格差拡大・家族制度は崩壊する。
そして、徐々に日本の国力も衰退していくのです。
法制化後百年経過し、安楽死が現実となる・・。
対象者には色々な動きがあらわれ始める・・。
100年の寿命が近づくにつれ、壊れていく人間の理性・・。
読み進めていくうちに、こんな世の中が訪れたら・・と思うと、ゾッとしました。
醜い人間の本性が描かれた、稀有な内容のお話です。
不老不死は決して幸せなことではないと痛感しました。