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読んでいただきたい!今月のお勧めの本「死刑にいたる病」

「死刑にいたる病」   櫛木理宇(くしきりう)著

タイトルから興味が湧き、手に取りました。
生育歴を理由に自らの快楽を極限までに遂行した凶悪犯で死刑囚の話です。

死刑囚榛村大和から大学生の雅也のもとへ手紙が届きます。
数えきれないほどの虐殺の中でただひとつ、冤罪を主張している20代女性の事件について調べてほしいという依頼・・。

どこにでもいる大学生で様々な葛藤を抱えながら孤独に生きていた雅也は、拘置所にいる大和に会いに行き依頼を受けて独自に調べていきます。
戸惑いながらも榛村との交流が始まり、残虐な事件が明らかになるにつれ、雅也は榛村に魅せられていくのです。

数年越しの巧妙に張り巡らされた罠。
シリアルキラーの執着心と残酷なシーンにゾッとしました。
容姿端麗で自分の思い通りに人を動かし、相手の心を支配する天才。あちこちに撒いた種。

もっと書きたいですが、ネタバレになるのでここらへんで・・。

前回の、読んでいただきたいお勧めの本「ラットマン」で感想を書きましたが、「合理化」と言う「心理規制」によって人間は同じものでも見る角度によって多様に変化する。
まさしく、その通りの作品でした。

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