読んでいただきたい!今月のお勧めの本「友罪」「父からの手紙」
「友 罪」 薬丸 岳著
とても考えさせられる一冊でした。
罪を犯し、罪を償い、社会に復帰する。
被害者にとっては時が永遠に奪われたのに、加害者は現在進行で時が動いて行く。
社会復帰した犯罪者は自分の犯した罪を一生背負って生きていく。
このような事でしか罪は裁かれないのでしょうか。
もし、自分の身近に殺人を犯した人がいたら・・・ 自分は自己防衛を選択するのか。
最後の益田が鈴木宛に書いた手記には救われ涙しました。
人生、何事からも逃げてはいけないと改めて思い知らされた作品でした。
「父からの手紙」 小杉 健治著
家族を捨て、阿久津伸吉は失踪します。
でも、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届きます。
十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲います。
婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されてしまうのです。
姉弟の直面した危機に隠された父の驚くべき真実が明かされてゆきます。
完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作でした。
残された家族は、本当に幸せだったのか。
疑問が残る作品です。