読んでいただきたい！今月のお勧めの本「あなたが愛した記憶」

「あなたが愛した記憶」　　　誉田　哲也著

親の遺伝子といっしょに親の記憶が子供に引き継がれると言う話です。
かなり暴力的で残虐シーンもありジウやストロベリーナイトの系統に属する作品と言えます。

こんなにも悲しい愛の形があるだなんて、想像もしていませんでした。
愛するが故に、1歳にも満たない我が孫を殺してしまった一人の男。
そこには、壮絶な怒りと悲しみ、そして娘への愛が込められていました。

これ以上若い女性たちが凄惨な事件に巻き込まれないように、大切な娘の意思を受け継ぐために、身を削る思いで決断した殺人は、犯罪と言えるのでしょうか。
自分の子孫を残す為に、次々と女性を監禁し、子を孕ませ続けた犯人の異常行為ははらわたが煮えくりかえりそうな程の怒りを感じました。

何が正義で何が悪なのか、複雑な気持ちで一杯になった作品でした。