読んでいただきたい!今月のお勧めの本!「Red」
「Red] 島本 理生著
夫の両親と同居する塔子は、可愛い娘がいて姑とも仲が良く、恵まれた環境にいるはずだった。
だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせる。
胸を突くような彼の問いに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。
塔子には、旦那と別れて、子供も置き去りにして、鞍田さんと結ばれてほしかった。
その方が幸せな世界が広がっていた気がする。
たとえ病気のことがあったとしても…でもそれは自分が独り身だからこその感想なのかもしれない。
泣けてきた。現実ってこんなものなのか。幸せって何なんだろう。
自分を縛るものでしかない気がする。
結婚とは、自由と引き換えに安定を手に入れることなんだろうか。幸せとは程遠い気がした。
完璧で非の打ち所のない幸せなんてあるはずがない事は分かっているのに、人は皆、何かに満たされても次から次に、理想を追い求める欲深い生き物だと感じた作品でした。